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2025.04.22 14:25:51

流産を理由に年1万人超離職、経済損失は466億円…名古屋市立大など研究・ケアの重要性指摘

 流産を経験した女性の離職による経済損失は少なくとも年間466億円に上るとの研究結果を、名古屋市立大などの研究チームがまとめた。専門家は周囲の正しい理解やケアで離職を防ぐ重要性を指摘している。

 チームは、同大病院と同大医学部付属西部医療センターに2017~20年に来院した不育症患者と妊婦を対象に、流産歴や仕事の継続状況、収入などをアンケート形式で尋ね、必要な項目を回答した1177人について分析した。

 流産経験者571人のうち、流産を理由に離職したと答えたのは9%の52人で、働き続けた場合に見込まれる年収の中央値は398万円だった。一般的な流産率(15%)を基に、年間の国内出生数から流産件数を年13万件と算出。これらから流産を理由にした離職者は1万1700人と推計し、経済損失は総額466億円と算出した。

 不育症は、流産や死産を2回以上繰り返す状態で、原因には胎児や夫婦の染色体異常、母親の子宮の異常などが多い。チームによると、仕事やストレスが流産に直接関連するか明確ではないが、過去に行われた意識調査ではストレスが主な原因と考える人が目立った。

 チームの伴野千尋・同大産科婦人科助教は「自らを責めたり、うつ病になったりして離職するケースがある。多くの人に正しい知識を普及させたい」と話す。

 流産や死産の経験者を支援する「周産期グリーフケアはちどりプロジェクト」の共同代表で助産師の遠藤佑子さんによると、流産後は赤ちゃんを失った悲しみから、子どもや妊婦を目にして涙をこらえきれず、日常生活に支障を来すこともあるという。そのうえで、遠藤さんは「壮絶な悲しみによって誰にでも起こり得る。職場復帰しやすい環境を作るには心情に寄り添い、必要な時に話を聞き、働き方の選択肢を伝えることが必要だ」と指摘する。

2025.04.21 14:12:05

新生児の脳症抑える化合物、炎症の原因となる細胞だけを死滅…滋賀医科大チームが開発

 出生前後の赤ちゃんに重篤な脳障害をもたらす病気の治療に役立つとみられる化合物を開発したと、滋賀医科大のチームが発表した。マウスに投与する実験では障害が軽減したことを確認しており、重症化を食い止める治療法となる可能性がある。論文が国際科学誌に掲載された。

 この病気は「新生児低酸素性虚血性脳症」。子宮破裂や、胎盤が突然はがれるといった緊急事態で赤ちゃんに送られる酸素や血流が不足し、重篤な場合は死に至る。1000人に1~3人の割合で生じる脳性まひの主な原因となっている。体温を下げ、症状の進行を抑える「脳低体温療法」で治療するが、効果は限定的だ。

 辻俊一郎准教授らは、低酸素・虚血状態に陥ったときに脳に炎症を起こす免疫細胞に着目。2018年のノーベル化学賞の対象になった技術で、狙った細胞だけにくっつく「ペプチド」という化合物を見つけ出す手法を活用し、炎症の原因となる細胞だけを狙って死滅させる化合物を開発した。

 病気を再現したマウスの脳に化合物を注入する実験で、この細胞の数が5~7割減ったことを確認。運動や記憶をつかさどる脳の領域の 萎縮いしゅく が抑えられ、運動機能も正常なマウスに近い状態に保たれていた。

 辻准教授は「将来、人に応用できれば、脳症による赤ちゃんの死亡や後遺症を減らすことが期待できる」としている。

  名古屋大病院の佐藤 義朗よしあき ・総合周産期母子医療センター長の話 「炎症性の細胞を選択的に除去する新しい手法で、障害を大きく改善できる可能性を示した画期的な成果だ。今後、脳への適切な投与経路を確立し、動物や人への投与で安全性と有効性を確かめることが課題になる」

2025.04.16 21:31:53

音に反応し遺伝子の働きが変化、人やマウスの細胞で確認…京大チーム「肥満予防や治療の可能性」

 外部からの音にマウスや人の細胞が反応し、遺伝子の働きが変化することを確認したと、京都大などのチームが発表した。音で細胞の働きを変え、治療などに生かせる可能性があるという。論文が16日、国際専門誌に掲載された。

 音は振動として空中や水中を伝わる。耳で聴覚として認識される以外にも、音楽を聞かせると野菜がよく育つなどの報告が知られているが、詳しい仕組みはわかっていなかった。

 京大の 粂田くめた 昌宏助教(細胞生物学)らは、培養液の中のマウスや人の細胞に対し、低い音や高い音、ノイズ音などの5タイプの音波をそれぞれ2時間以上あてた。その後の遺伝子の働きについて解析した。

 結果、細胞の成長などに関わる延べ約190種類の遺伝子の働きが変化し、音のタイプに合わせて反応する遺伝子も異なることがわかった。細胞の形が変わったり、脂肪をたくわえる細胞の増殖が20~30%抑えられたりする効果もみられた。

 人の耳には聞こえない超音波を使って、骨の再生を促す医療機器はすでに実用化されている。粂田助教は「特定の音で肥満などの予防や治療ができる可能性がある。私たちは聴覚をコミュニケーションに使っているが、音にはさらに根源的な役割があるのかもしれない」と話す。

 同志社大の小山大介教授(超音波工学)の話「可聴域の音は超音波と比べて遠く広範囲に届きやすいが、音によっては負担になる可能性もある。利点や欠点を踏まえて活用できるか検討する必要がある」

2025.04.14 18:06:42

AIで食肉の安全検査、画像分析で異常を発見…獣医師不足に対応し厚労省が実証研究

 食肉の出荷前に都道府県などが行う安全検査について、厚生労働省は今年度、AI(人工知能)を活用した実証研究に乗り出す。AIによる画像解析で食肉の異常を見つける試みで、検査を担う獣医師の職員が不足する中、現場の負担を軽減する狙いがある。効果を確認できれば、全国的な導入を検討する。

 食肉は、自治体や民間の食肉処理施設などで安全検査を行ってから出荷されている。検査の多くは、獣医師免許を持つ自治体職員による実施が法令で義務付けられ、畜産農家が持ち込んだ生体や枝肉、内臓を目視したり触診したりしている。病気や異常が確認された場合に取り除いている。

 だが、獣医師の職員は全国的に不足している。獣医師免許を取得しても、ペットを扱う動物病院に就職を希望する人が多いためで、読売新聞が2023年度の採用状況を調べたところ、定員割れした都道府県が約9割に上った。

 政府の戦略もあって和牛を中心に食肉輸出が拡大する中、23年度は、獣医師職員計約2200人が少なくとも牛約100万頭、豚約1600万匹を、計約1100人が鳥約8億3000万羽を検査した。OBを再任用してなんとか検査をこなしている自治体も多い。人員不足がさらに進めば、公衆衛生など他の業務に獣医師を割けなくなる恐れもあり、同省はAIの活用を検討することにした。

 研究では、AIの画像解析システムを使って獣医師の目視業務を補助する。北海道や茨城県、宮崎県の3道県で今月下旬から順次始め、27年度まで3年間行う。

 研究班代表の村松康和・酪農学園大教授(獣医公衆衛生学)は「研究成果によっては、現場の獣医師の大幅な負担軽減が期待できる。食の安全に関わるので、獣医師による検査と同じレベルを目指してAIの精度を上げていきたい」と話した。

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2024.01.30

PRタイムズへのプレスリリース開始

1月30日より、PRタイムズにてe-doctor PRESSのプレスリリースを掲載しております。本サイトリリースに至る経緯やサイトのコンセプトなどの詳細を記載しておりますので、ぜひご覧ください。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000134188.html

2024.01.18

令和6年能登半島地震について

元日に発生した令和6年能登半島地震に被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。 今も度重なる余震が続き、皆さまのご無事を心からお祈りします。 被災された地域において、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

2023.12.29

年末年始のお知らせ

拝啓 師走の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

さて、株式会社リンクスタッフでは年末年始の休業日につきまして、下記のとおり休業日とさせていただきます。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承いただきますようお願い申し上げます。

敬具

■年末年始休業日
2023年12月29日(金)~2024年1月3日(水)

※2024年1月4日(木)より、通常営業を開始いたします。
※お問い合わせにつきましては、2024年1月4日(木)以降ご連絡させて頂きます。

2023.12.28

サイトリリースのお知らせ


平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます。

この度、株式会社リンクスタッフは医学生・若手ドクター向けのコンテンツサイト「e-doctor PRESS」を公開いたしました。

医学生・ドクターの皆様へのサービス向上に努めるべく、コンテンツの充実をはかってまいりたいと存じます。
今後とも、どうぞ宜しくお願い申し上げます